道路は、私たちの生活や経済活動を支える大切なインフラです。
その道路が川や谷、鉄道、海などを越える場所には、橋が架けられています。橋は時にランドマークとなり、人々の憩いの場にもなります。また、自然に溶け込んで静かに役目を果たすこともあります。
橋にはさまざまな用途や形、規模がありますが、すべてに共通しているのは「なくてはならない存在」であることです。もし橋が使えなくなれば、道路のつながりが断たれてしまいます。これは、トンネルや擁壁、ボックスカルバートなどの道路構造物も同様です。
私たち交通第2部では、こうした道路構造物を「つくる」「まもる」「長持ちさせる」ことを大切にし、新設設計だけでなく、補修・補強や点検を通じて、道路インフラを未来へつなぐ仕事をしています。
橋梁・道路構造物設計
道路に欠かせない橋には、たくさんの種類があります。
材料によって「鋼橋」や「コンクリート橋」に分類されるほか、形によって「桁橋」や「アーチ橋」「吊り橋」などにも分けられます。
私たちの仕事は、地形や地質、耐久性、コスト、景観などを総合的に検討のうえ、その場所にもっともふさわしい橋梁形式を選定し、設計することです。景観との調和のほか施工や維持管理のしやすさに配慮しながら、3Dモデルを活用して視覚的な検討も行います。
また、橋だけでなく、擁壁やボックスカルバートといった構造物も、設置場所の条件に応じて最適な形式を設定し、設計を行います。さらに、重要構造物に対しては大規模地震を想定した耐震設計や照査を実施し、安全性の確保に努めています。
点検・調査・補修設計
高度経済成長期に整備された橋やトンネルなどの道路構造物が、老朽化による問題に直面しています。
安心・安全な暮らしを支えるためには、これらの構造物の状態をきちんと「把握し、必要な対策を行う」ことが不可欠です。
私たちは、自社の技術を活用して構造物の状態を詳しく調べ、劣化の原因を探ります。
その調査結果をもとに、構造物の健全度を判定し、必要に応じて最適な補修方法を提案します。
これまでの豊富な経験と技術を活かしながら、道路インフラを少しでも長く、安全に使い続けられるよう、「長寿命化」に取り組んでいます。
耐震補強設計
日本は世界でも有数の地震大国であり、私たちの暮らしを支えるインフラにも常に高い耐震性が求められています。
近い将来の発生が懸念されている南海トラフ巨大地震や日本海溝・千島海溝周辺の地震に備えて、緊急輸送道路にある重要な橋の耐震補強が全国で進められています。
私たちは、「動的構造解析」や「有限要素解析」などの技術を使って、地震の揺れによって橋がどう動くかをシミュレーションし、地震力が集中する場所を明らかにします。
そのうえで、橋の耐力を適切に評価し、全体にかかる地震力をうまく分散・軽減する補強設計を行います。
これにより、難易度の高い基礎補強を避けつつ、補強の規模を抑えてコストを削減することができます。
また、橋脚や仮設構造物を含めた補強の範囲をできるだけ小さくするための検討も丁寧に行い、効率的で安全な補強を実現しています。