北海道は、広域分散型社会を形成しており、人流・物流とも自動車交通に依存せざるを得ない状況です。全国の高規格幹線道路整備率88%に対し、北海道の進捗率は66%にとどまっており、早期の高速交通ネットワークが求められております。一方で、北海道には豊かな自然環境があります。道路の整備にあたっては自然環境保全と分散化する地域の利便性への配慮が求められます。弊部では、路線に求められる機能や役割を明確にし、“環境保全”と“地域貢献”につながる道路計画・設計を行います。
安全あんしんの確保
道路は交通機能のほか、重要施設の空間機能としても重要な役割を有しております。地震によるライフラインの寸断、電柱倒壊による避難や救急搬送の支障等が懸念され、道路の防災機能の重要性が認識されております。弊部では迅速な災害復旧支援、無電柱化に向けた電線共同溝設計等により、道路防災への支援を行います。また、交通事故対策や吹雪による視程障害対策等、道路を“安全あんしん”に通行するための各種調査解析も行います。

創造力豊かな環境保全や景観との調和
道路整備では環境への影響低減や景観との調和が求められます。弊部では、3次元対応CADや専用ソフトを用いてBIM/CIMを作成・活用することで、周辺地形や影響範囲を的確に再現しつつ、自然環境への影響を最小化する設計を行っています。さらに、AR技術(拡張現実)やVR技術(仮想現実)等の最新技術をステークホルダー(利害関係者)への説明等に活用するとともに、社内での研修や教育にも使用することで、創造力豊かな技術者育成を目指しています。
BIM/CIM活用による3次元モデル
AR技術活用による構造物配置シミュレーション
BIM/CIM活用による3次元モデル
交通事故ゼロへ向けた対策の提案
北海道の交通事故発生状況は、死亡事故件数は減少傾向にあるものの、死亡事故につながる事故の発生率は増加傾向にあります。これまでもランブルストリップスや中央帯設置などの交通事故対策が進められてきました。弊部では、交通事故データや現地検証により、当該事故が発生した要因を的確に分析します。分析結果より、現地条件に適合した効率的で効果的な“交通事故ゼロ”に向けた対策を提案します。
利用者目線に立った災害復旧支援
日本は地震や火山活動が活発なうえ、台風・豪雨・豪雪などの災害が発生しやく、北海道においても平成28年8月の記録的大雨により道路が被災し、通行止めを余儀なくされました。災害は初動調査が重要であり、弊部では関連部署と連携し、早急な現地調査により被災状況を把握します。また、災害メカニズムや被災要因を特定し、周辺住民や道路“利用者目線”に立った効果的で安全・あんしんできる対策を提案します。
詳細な調査と経験に基づく防雪対策
北海道では吹雪による視程障害や吹だまりに伴う通行止め等が発生し、冬期交通の安全確保や信頼性低下が懸念されています。新たに道路を整備する場合、過去の気象データに加え、計画地点での詳細調査が必要になります。弊部では定点・移動気象観測、自動画像記録等を用いた防雪調査を行い、過去の事例や経験に基づき、防雪対策の必要性を検討します。また、当該地域の地形、環境条件に適合した効果的な防雪対策工を提案します。